第41回不妊カウンセラー養成講座に参加してきました。
今回は、生殖医療関連の最新情報、胚培養技術の進歩と未来、ARTにおける排卵誘発法‐その選択、不妊に伴う鍼灸のエビデンス、男性不妊についての講義でした。
日本でARTが始まり30年以上が経過し、めまぐるしい進化を遂げ次々と新しい治療法や胚培養の技術が開発されてきました。
培養液の研究が進み、胚の栄養代謝、栄養要求が受精3日目(8細胞期)以降からは変化することが解明され、それに適した培養液が開発され胚盤胞移植が盛んに行われるようになりました。
更に新しいタイプとしては、胚の栄養要求に合わせるのではなく、「胚が必要なものは自ら選択する」というコンセプトのもと胚盤胞培養の前半・後半ともに同じ培養液を使用し、受精3日目での培養液交換は不要とするものです。
そしてARTでは色々な製剤を使い卵巣を刺激し卵胞を発育させ成熟した良好な卵子を複数育てることを目的としています。
卵巣の刺激法には、完全自然周期法、低刺激排卵誘発法、GnRHアゴニスト法(ショート法/ロング法/ウルトラロング法)、GnRHアンタゴニスト法、そして新しい治療法としてランダムスタート法、遅延スタート法があります。
自然の月経周期ではホルモンの作用により発育し選ばれたものが排卵します。しかし、卵胞は常に供給されています。どちらの治療法も月経周期には関係なく卵巣刺激すれば卵胞は発育し採卵は可能ということです。
どの刺激法を選択するか、その指標としては、卵巣予備能(卵巣が有する潜在的な卵巣機能の予備力=卵巣に残存する卵胞数)の状態、またOHSS(卵巣過剰刺激症候群)のリスクを考えながらの選択になります。
このように生殖医療はこの先も益々、進化していきます。しかし、人の気持ちは医療のスピードに追いついていけるでしょうか。そういう観点からもカウンセリングの重要性は増してくるのではないかと思います。
鍼灸師であっても病院で行われている最新の治療の知識を得ることは、治療にもカウンセリングにも役立てていけることだと思います。