鍼灸治療は男性不妊に対して効果が期待できます。
精子の質については、卵子の質ほどには意識されていません。
受精卵がきちんとに育つためには、卵子の質だけでなく、精子の質も重要であることが、最近の研究で明らかになってきています。
精子の役割は、父親の遺伝情報を母親の卵子に運ぶこと。卵子に一番乗りして、その頭部にしまったるDNAを卵子に送り込むのですが、そのDNAが傷ついている程度が大きければ、受精できなくなり、もしも、受精出来ても正常に分割、成長出来なくなります。
また、DNAの損傷は、流産のリスクや子の先天性疾患のリスクにも深く関係していると言われています。
精子DNA損傷の主な原因は「酸化」であると考えられています。つまり、体内の活性酸素の量が増加することによるものです。
このようにDNA損傷の度合いが精子の質を決定し、DNAの損傷度合いが大きくなれば、当然、妊娠しにくくなり、流産しやすくなってしまうわけです。
卵子の質は年齢による「老化」です。ところが、精子は卵子と違って、毎日、つくられています。
もしも、強い酸化ストレスにさらされて、精子DNAの損傷率が高まったとしても、一時的なわけです。
約3ヶ月かけて、活性酸素の発生を抑えたり、抗酸化作用を高めることで、精子の質を高めることは可能なのです。
鍼灸治療は、さまざまな刺激やストレスから「体を守る力」を高めます。その作用により活性酸素が体の中で発生するのを抑えることで精子の元気を取り戻します。