不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座に参加

 

不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座
「2021年WHO精液検査マニュアル第6版改定のポイントと男性不妊最手術技術の紹介」を受講して。

2021年に改定されたWHO精液検査基準値が

精液量:1.5ml→1.4ml
精子濃度:1500/ml→1600/ml
運動率:40%→42%
全身運動率:32%→30%

と、少し改定されています。ただ、精液検査の結果のみで治療を決めてはいけない、となっており、検査が基準値内であっても検査、他の検査や禁煙、食事の見直しも必要になります。

菅藤先生は17~18年に渡ってmicroTESEに携わっていらっしゃり、非閉塞性無精子症であっても太い精細管を見つけてそこから精子が採取できた場合、その精子はほぼ正常で結果を残せることが多いといいます。精細胞がない精巣でも一か所だけ正常なところがあったりするのです。

しかし、専門の泌尿器科と専門としないART施設ではmicroTESEの術後のホルモンの値に違いが出ます。
太くて良い精細管は睾丸のどこにあるか分からない為、見つからないと切開しすぎてしまうことがあるのです。するとテストステロンが低下して更年期障害等の後遺症を起こす可能性が出てしまいます。

microTESEが保険適応になるとハードルが下がり、未熟な術者により精子回収率が下がり、microTESEを何度も繰り返す人が増えるだろうと菅藤先生は訴えました。

そこでFNA Mappingの需要が増えることが予測されます。FNA Mappingとは、切開をしないで針で吸引した生検を染色し精子があるか確認する方法です。精子があればそこをmicroTESEし、なければしないで済む。よって精子が存在しない人のmicroTESEが回避でき、よりステップダウンした手術によって精子が回収でき挙児が望めるのです。またテストステロンの低下や術後の痛みを軽減できます。菅藤先生はFNA Mappingを日本で広げていく予定だそうです。

2011年の体外受精のまとめでは、採卵を行っている数が国民一人当たりに換算すると日本ではアメリカの約6倍にのぼります。採卵周期における生産率は日本では7.9%と世界でも最下位だが、アメリカ等では治療費が高く、比べると日本ではそれだけ採卵できる人が多いということになります。今年4月からARTが保険適応になると、今まで以上に採卵周期数が増え、採卵周期当たりの生産率は下がり、そして累積妊娠率は上がることが予想されます。

ARTをする人が増えればカウンセリングや男性不妊治療の需要も高まります。鍼灸を受ける人も増え、40代の患者様も増えてくるでしょう。今以上に患者様に寄り添えるよう知識やカウンセリング、鍼灸施術の性能を上げ、より多くの患者様に対応できるようにしていきたいと感じています。