妊娠・出産とメンタルヘルス

第45回不妊カウンセラー養成講座の中に、周産期のメンタルヘルスについての講演もありました。

妊娠・出産は、女性の体と心に大きく影響がある時期です。

特に妊娠中と産後は、女性がうつ病になりやすい時期と言われています。妊娠前は元気でうつ病の様な症状がない方でも、精神的に不安定になりやすく、適正な治療が必要な方もいらっしゃいます。
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当院には精神疾患の薬を服薬しながら、妊娠を目指している方が来院されています。

現在精神疾患のお薬を服用されている方に、妊娠・出産期のお薬との付き合い方をポイントをまとめてお伝え出来たらと思います。

1.妊娠したからといって、急に断薬しなくて良い!

 赤ちゃんに影響があるんじゃないか、と精神疾患のお薬を止める方がいらっしゃいますが、妊娠中の薬の服用が赤ちゃんの奇形につながるとは限りません。

赤ちゃんに影響がほとんどないお薬も多くありますし、薬剤が原因とされる奇形は1%以下だそうです。自然に発生する奇形は2-3%の確率というデータが出ています。

 飲んでいるお薬が、妊娠に影響が無いか心配な時は、こちらで情報が確認できます。
 「妊娠と薬情報センター」
 https://www.ncchd.go.jp/kusuri/

妊娠中に急に断薬すると、精神状態が悪化する方が多くいらっしゃいますので、病院の先生と相談しながら、妊娠に影響がほぼないお薬を続けて服用されることが大切です。

2.薬を飲みながら授乳できる!
 抗精神薬のほとんどが、こどもが母乳を通して摂取してもほぼ安全とされる量です。
 お薬を飲みながら、赤ちゃんの授乳は可能なものがほとんどです。
 もちろんご自身のご希望とお体の状態を合わせて、病院の先生とご相談ください。

3.産後うつ
 産後うつのポイントは、イライラと涙。
 ご自身でも気づかない内に、産後うつになっている方もいらっしゃいます。産後うつに気づくには、
①顔がこわばっている
②ちょっと話すと「涙」がポロポロ出てくる
③家人(ご主人)に対して「イライラ」する

ご自身の状態にも注意を向けて頂いたり、ご家族が様子を見守ることも大切です。
妊娠初期や産後3-4ヵ月が、うつの症状が出やすくなりますので、特に注意して見守ることが大切になります。

心や体と上手に付き合いながら、妊娠・出産という大切な時期をお過ごしください。